JAPAN JAM 2010(ZAZEN BOYS篇)

この日はJAPAN JAMというフェスを見るため早朝から高速バスに乗って、富士スピードウェイを目指していた。ちなみにこのフェスはタイトルとおり、普通のライブもやるけど、ゲストを招いてジャムセッションをやるフェスでもある。お目当てのZAZENと吉井が出演するのなら行くしかない。
何組かのセッションライブを見た後、早めにZAZEN BOYSの出演ステージへむかう。しかしライブスタートまでにまだまだ時間があるのに、もうステージの前は結構な人で埋まっている…と思ったがいつものZAZENファンと何か違う。よく見てみたら吉井のTシャツや吉井タオルを身につけた女子たちばかり…
あの、吉井のライブまであと2 時間半ばかりありますがあせあせ(飛び散る汗)
ZAZENから場所をキープしている吉井乙女たちが意外と多いんです。
自分も同じような計画なので、人の事あまり言えませんけど。でも皆さん興味ないと思うんですよ ZAZENは(ジャンル全く違うしね)。私みたいにZAZENも好きで吉井も好きって人はそうはいないと思う。
This is 向井秀徳の変態的な音楽に、吉井乙女たちは着いて行けるのか?全くの無反応の中、ひとりでノッているのは非常に気まずい。向井氏も最前列が無反応だったらやりにくいだろうな。そんな心配をしていたらZAZENメンバーが登場した。
いつものライブならG.カシオマンはピンクのシャツか個性的な柄シャツなのだが、今日は黒シャツである。B.のイチロー氏もいつものパープルシャツではなく黒シャツ。Dr.松下氏もいつも通りの黒シャツ、向井氏も黒ジャケットに黒のハット。めずらしく黒に統一したZAZEN BOYSの姿に、底知しれぬ緊張感が漂う。

「富士山シティ〜!!!」

いつもの「MATURIスタジオから〜」の自己紹介MCを言った後、バドワイザー片手に叫ぶ向井氏。昔はステージにある補充ドリンクは必ず酒だったのだが、ここ2~3年はミネラルウォーターだ。だが本日は、最初からビール。酔っ払った向井氏はすごいものを見せてくれるだろう。ワクワクしてくる。
その予想は当たった。1曲目の「Honnoji」から凄まじい勢いの演奏が開始され、そのままのテンションで「Himitsu Girl's Top Secret」「Riff Man」と続いてゆく。テンションが上がって来ると、もう浮いてしまおうが構わん!と思い切って微動だにしない吉井乙女たちの中で、ひとり拳を突き上げノリまくる。だが、少し後ろではZAZEN男子たちも同じように拳を突き上げていた。

「Asobi」で少し落ち着いた雰囲気になったところで、向井氏は2本目バドワイザーの缶を開けグイッと一口飲んだ後、ゲストミュージシャンを呼んだ。
大御所ジャズミュージシャンの坂田明(アルトサックス)と山下洋輔(ピアノ)。
さっそく「Sugar Man」をZAZENとジャムる。アドリブを入れやすい曲となっているため、やはりいつもよりヤバい展開となっていた。
しかしもっとヤバい事になっていたのが、この日のために作られた曲「Nakameguro 」。
一応曲の流れみたいあったようなのだが、メロディなんてのはほぼ無いに等しい。良く言えばフリーセッション。悪く言えばハチャメチャセッション。しかもバトルモードだ。
そして曲の山場、緊張感が高まったところで突然アルトサックスの坂田氏が、
「ぐわぁ〜〜!○×△□◇・・・」
なにやら聞き取り不能のハナモゲラ語を叫び出す。
そして向井氏も負けずに訳の分からない事を叫び出す!

「新宿、新宿、新宿三丁目を支配しているのは誰だ!? 
DANSHI、DANSHI、立川談志
KISHIN、KISHIN、篠山紀信!」

全くもってわけわからん!シュールすぎて思わず笑ってしまった。

しかし今までアウェイ的だった吉井乙女たちは、この曲で興味を持ったらしく
その後向井氏に反応する。

ハチャメチャバトルセッション後は、「COLD BEAT」で向井氏の変な指揮に合わせて、坂田氏も山下氏も凄まじい演奏を見せつけ、ロマンティックソング「Kimochi」ではZAZEN+ジャズ大御所コンビの雄大なセッションを聞かせてくれた。

ほんとにアッと言う間に終わってしまった。
向井氏は「富士山シティ」をも支配してしまったのだった。

セットリスト
1 Honnoji
2 Himitsu Girl's Top Secret
3 Riff Man
4 Asobi
5 Sugar Man w/ 山下洋輔坂田明
6 Nakameguro w/ 山下洋輔坂田明
7 COLD BEAT w/ 山下洋輔坂田明
8 Kimochi w/ 山下洋輔坂田明