2014.06.17[ヒョットコ ナイト](モーサム下北2days1日目)

下北沢QUEの20周年企画として様々なアーティストがワンマン2DAYSを行う企画の中で始まったモーサムワンマン2DAYS。
しかもかぶり曲なしの50曲。これからガンガンイっちゃいますよ!的な若手
バンドがやりそうな事にベテラン40代のバンドが挑むという無茶ぶりに波乱な予感もする2日間。その第1日目『HYOTTOKO NIGHT(ヒョットコ ナイト)』の様子をお伝えしましょう。

いつもだったら余裕でチケットが取れるはずなのだが、2日通チケットについては抽選にハズレる人多し。しかも1日券チケットもすぐソールドアウトするという始末。キャパ300人しか入らないハコのせいなのか、それともいつもと一味違ったブチ切れたすんごいライブを見せつけてくれるのかっ!という予感で各地から集まってきたのか、かなりの密度でQUEのフロアは熱い人たちで埋まっていたのだった。

そして19時半。いつも通りの壮大な映画音楽チックなSEが流れる中、
フラっと百々、水野、勇の3人が登場。武井はヒョットコのお面を装着し、
派手な長襦袢を着で客を威嚇しながら登場。

へ〜。ここまではよくある展開だな。

と、油断していた束の間、水野ドラムと武井ベースが
織り成すハイペースのイントロが鳴り響いたとたん慌てた。

なんだコレ知らんぞ!

内心アタフタしていたが、襲い来る轟音と周りから来るすさまじい圧力。
そして波動。
躊躇していたら痛い目見るぞ!ってワケで流れに身を任せて腕を上げノル。
そして曲の後半でやっと『ボルケーノラブ』だと気づいたと思ったら、
『ラジカル・ポエジスト』へ突入。それも高速で通り過ぎて『パラダイス』へ。
最近のツアーでやっていた曲というのもあり、聞きなれた感じもあってか、
百々がギターソロでお立ち台に飛び乗り、攻撃的なギターソロを弾く姿を
やっと落ち着いて見ることができた。
やっぱり久々のナツカシ曲が来ると慌ててしまうもんだ。
だがこんなのは序盤でもあった。
ライブが進むにつれて「モーサム スーパーイントロドン!」(←百々Twitterより引用)のレベルは徐々に上がってゆくのであった。

3曲ほど終わったところで百々がギターを置き、ギターを交換するかと思ったら、「最新型のロックンロールを…」と呟いた後、突然左側にいた勇がギターでガッツリ鋭いイントロを弾き始めた。
ルースターズの『新型セドリック』のカバーだ。
マイクスタンドから外したマイクとハープを握り、勇に負けじと百々も
お立ち台の上でハープを吹き鳴らし、客を煽るように挑発的な仕草でハンドマイクで歌う。
さっきと違い邪魔ギターもなく、ステージの境界線に立つ百々に向かって客 は手を伸ばしもみくちゃにする。だが、触られまくろうがひるむ事無くシャウトしながら百々はハープを吹き、暴れまくっていた。

怒涛の4曲が終わり、ここで武井MCタイム。
内容はQUE20周年をお祝いする普通のことを言っていたようだったが、
滑舌の悪さでやっぱし聞き取れなかったと記憶する。
その後『youth』『Junk』『ジェネレーションZ』へと続く。
わりと最近やっている曲なのでイントロドンに動揺することもなく落ち着いてノッた後、一旦ヒートダウン。照明もライトダウン。

チューニングも終わり、タイミング的にもう始まってもいい頃なのに
ナゼか次の曲へ行く気配がない。
様子を伺っていると勇が何やらメンバー1人1人に耳打ちしている。
そして少しステージが明るくなり、百々が「獣のように…獣のように 騒いで〜」と呟いた後、ひらりと軽い身のこなしでお立ち台に上がったかと思いきや強烈なギターイントロが炸裂!

おお『TIGER』かっ!

いつもならサイレンの音が鳴り響いて始まるのだが、今日はサイレン無しの不意打ちスタート。
いくら聞き慣れている曲でも油断はできない。
続けて『DAWN ROCK』ではこの曲のハイライトも言える最後ギターソロで激しく体を揺らして狂人のようにノイズ音をぶつけてくる百々はかなりイっちゃっててぶっ飛んでいた。

お次は超ハイパーレベル スーパーイントロドン!『ボクはサカシマ』。
ライブでお初聞き、尚且つCDでもほとんど聞かない曲のため、
集中して聞いててもなんだか分からない。
しかも演奏も散乱してて纏まってなかったような…。
こうなると半分首をかしげながらもなんとかノっている状態。
脳内のモーサムリストを検索しても分からなく、この時は気になる曲として終わってしまった。後で調べてやっと曲名が分かるという。
恐るべし「スーパーイントロドン」。

そのまま進むのかと思ったらドラム機材トラブルが発生し思わぬ間が。
そんな間を埋めるのにちょうどいい武井。
水を一気飲みする武井に向かって、会場の熱さに参った客が「水くださーい」と声を上げると、なぜか額の汗を手で拭い、目の前にいる客へ汁を擦り付け始める。

「今年俺は本厄だから、皆さんの厄も全部引き受けますよ〜」

なんとおっさんの汗がご利益の聖水に。
目の前の客たちも引くことなくご利益にあやかろうと自ら手を伸ばしている。この時の神々しさに武井の坊主頭から光が見えているようだった。

トラブルも直りライブ再開。ポップなハイスピードナンバー『happy new year』からハードな『バーニング』の後、何やらゆるやかなドラムとベースのイントロが流れる。

あっ!これは分かるぞ。

「真ん中が空っぽの・・・空っぽの・・・マカロニ」と百々のMC。
やっぱりマイ フェイバリット ソング『マカロニ』で正解だ。
初めてライブでも聞くからどう演奏しているか楽しみである。
イントロに被って入ってくる印象的なギターフレーズを百々は軽く爪弾きながら、柔らかく歌い、他3人ともゆるい感じで演奏していた。
これまで続いていた熱苦しい曲とは違って、この曲のゆる〜い雰囲気が
QUE全体をリラックスモードに変えてしまったような感じだ。
例えると真夏の暑さでへばっている中、風が吹き抜けた瞬間に
ふっと感じる爽快感や心地よさに、ホッと一息ついた感じに近い。
そしてゆるいながらも段々盛り上がっていき最後のクライマックスでは
勇の弾くギターがいい感じに鳴り響いていた。

そして余韻に浸る間もなく、気が抜けている客の隙を付いて『13 HOT DOGS』と、またスーパーイントロドン! シリーズの選曲を入れて来た。
しかも否応なしに超マッハでMAXへ向かわせる曲のおかげで会場は急に熱さを取り戻す。
そんな最中、間奏に入ったところで武井がベースを抱えたままステージ袖へ猛ダッシュで消えていった。なんだ小道具の仕込みかと思いきや、突然、右横の楽屋口から登場!場外乱闘のプロレスラーのごとく客にモミクチャにされながらも人の詰まったフロアを練り歩く。そして遅れる事なくベストタイミングでステージ真ん中の武井位置へ到達!
そのまま怒涛のテンションで『ばちかぶれ』に突入。
客も手を上げ暴れ飛び交い、モーサムも容赦なく爆音をぶちかます。
その時の自分もテンションが上がり過ぎ、周りも気にせず
気づいたら飛び跳ねながら首を振っていた。

いつもだったらこれぐらいでぼちぼちエンドを迎えるのだか、
25曲はやると言ってるワンマンじゃ、まだまだこんなものでは終わらない。
いつもなら1曲目に持ってくる事が多いハイテンションナンバー
ギャングオブフォーのカバー『TO Hell With Poverty!』、
勇と百々がツインでサビのフレーズを弾いていて硬派っぶりを見せつけてくれた『Hammmmer』、無条件に盛り上げさせられる『FEEVER』と胃もたれしそうなぐらいの怒濤なナンバーの応酬。
ふと武井、水野、百々の表情に疲労感が出ているような気もしたが、
そんな心配もよそにライブは止まる事なく進んで行く。

ジャ〜ンジャ〜ンと百々が軽くギターを鳴らし始める。
ん?なんだ?こんなイントロで始まる曲があったっけ?
超ハイパーレベル イントロドン!の予感に胸騒ぎしながら次の音を待っていると、SF映画の宇宙船が映ってるシーンに流れるようなスペイシーなイントロが鳴り響いた。
そいえばモーサムって打ち込みもやる人たちでしたね、と思い出させる曲
『Bad Summer Day Blues』。
これもライブで見るのはお初で、シーケンサー音に乗っけて演奏される生音のカッコ良さに只々感動する。
水野の刻む生音ドラムと独特のループリズムを鳴らすピコピコ音、
言葉多過ぎな歌詞を早口でまくし立てるように歌う百々。そんなカオスな空間の中で「ア〜ア〜」とやたら高音で入れてくる武井のバックコーラスが、
壮大な空間を表す相乗効果となり、なんだか心地よい異空間の中を漂っているような気がした。
そんなのが無限に続くのかと錯覚した瞬間、

「Time takes a cigarette,and it's too short to smoke イェーーーーッ!!」

百々がサビの歌詞を叫んだ後、ぐわっんと轟音が襲ってきて、さらに壮大な世界、宇宙空間みたいなものへ引きずり込まれた錯覚を覚えた。

曲が終わり、実世界へカムバックしてきてふっと我に返ったら、
武井が何やら勢いよくMCをしている。
さっきの高音コーラスのやりすぎなのか声が掠れほとんど聞き取れない。
でも最後に「ユーアーロックンロール!」と言ったな、と分かった瞬間、
百々の殺人的にキレきった『You are Rock'n ROLL』のギターイントロが鳴り響く。

まだまだまだ怒涛の高速ハイテンションナンバーの応酬は終わらない。
『You are Rock'n ROLL』後『ロッキンルーラー』と立続けに
モーサムのロックンロールシリーズが終わったかと思いきや、
『冷たいコード』と息をつく間もなくバンドも客も暴徒と化す曲は続く。

ここまで来ると熱さと酸欠と体力バテで頭の中もボーッとなり、
集中力も切れてくると余計な事ばかり考えてしまう。

なんでこのバンドは後半になればなる程、
ここまで激しい曲ばかりを最後に詰め込んで来るんだ!

観察してみると勇は若干余力のあるように見えたが、武井、水野、百々の3人の表情は先ほどより辛そうだし明らかに限界に近い。
だが緩むことなく怒涛のナンバーは続くし、むしろ前半よりこの時のが一番殺気立っているし勢いもすごい。
ランナーズハイならぬ「ライブハイ」となっているせいなのか。
もう苦しいのを通り越した後に出てくるアドレナリンで高揚して
気持ち良くなり楽しくなっているんだろう。モーサムもその場にいた全ての客たちも。

ある意味どんだけマゾな連中なんだと思ってしまったら、
可笑しくなって笑い出しそうになりながらも、本編ラストとなった圧巻の爆音曲『High』のキラキラとした轟音の中に身を委ねていったのだった。

HYOTTO NIGHTセットリスト

ボルケーノラブ

ラジカル・ポエジスト

パラダイス

新型セドリック

youth

Junk

ジェネレーションZ

TIGER

DAWN ROCK

ボクはサカシマ

happy new year

バーニング

マカロニ

13 HOT DOGS

ばちかぶれ

TO Hell With Poverty!

Hammmmer

FEEVER

Bad Summer Day Blues

You are Rock'n ROLL

ロッキンルーラー

冷たいコード

High

<アンコール>

We are Lucky Friends

凡人のロックンロール

[武井電光掲示板メッセージ]
ヒョットコナイトへようこそ モーサムトーンベンダー演奏なう
クラブQ 20周年おめでとうございます!!!
これからもステキなオンガクを発信してください!!!
それでは下北沢エブリボディ、レッツ ヒョットコパーティー♡♡